土地所有者への手紙

不動産

土地所有者様

拝啓 私どもは○○町で不動産業を営んでいるものですが、懇意にさせていただいているお客様から依頼をうけてお手紙を差し上げました。

 〇〇会社様から、会社の近くに更地があるが、実はかねてより社員寮を建築したいと考えているので、その土地の所有者の方にご売却されるお気持ちがないか訊ねてもらえないかと依頼されたのです。 

 さっそく、法務局でその土地の調査をしましたところ、〇〇様が所有されていることが分かりました。

土地の所在地は○○市○○町○○○○番地○○です。 

 誠に失礼かと存じましたが、ご売却されるお気持ちはないかおたずねしたく思い、お手紙を差し上げた次第です。

もし、そのようなお考えがおありでしたら、ご一報戴ければ幸甚に存じ上げます。

 もとよりそのような考えはないと、御一笑に付されましたときは、私どものお客様の、この土地を購入し、社員寮を新築したいという真摯なお気持ちに免じて、あしからずお許し下さいませ。

 失礼をかえりみず書面にてお願い申し上げます。

 尚、私どもが知りえた〇〇様の個人情報に関しましては、秘密厳守し、決して口外致しませんのでご安心下さいませ。

 末筆ながら〇〇様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。

                                 敬具 

知らない不動産業者からこのような手紙を受け取った場合、土地所有者の人はどのように思われるだろうか。

 私はこのような営業用の手紙をよく書きましたね。若いころ、営業をしていたころの話です。

 このようなお客様向けの手紙を何パターンも作っておいたものです。

「この土地をご購入したいという真摯なお気持ちに免じて」というところは、「マイホーム新築の夢に免じて」などと書き換えて出したりしました。

 こういった手紙を出した場合は大体7~8割ぐらいの確率で、お客様とアポが取れて、半数近い方と成約に結び付けることができました。

 また成約できなかった場合も、その後数年先にその土地の売却依頼を受けるようなこともありました。

 だいたい私の場合は見込み客の内3割以上の方に住宅の購入や売却の依頼を受けて成約を取ることができたものです。

 見込み客の案件が少ない場合はこの確率はもっと上がりました。例えば見込み客のお客様がその月に5名しかいない場合は4名の方に成約していただきました。

 見込み客が少ない場合はそれだけ効率よく営業することができるからですね。

 しかし、考えようによっては、こういった営業の手紙は悪徳業者の手にかかれば悪用することもできますね。

 例えば初めからこういう会社から依頼は受けていないのに手紙を出す。

そこでもし、この土地の所有者が売ってもいいよというと、この手紙を出した業者は相場よりも安い値段で自分が購入できるように話をすすめようとします。

  悪徳業者が地上げをするために善意の土地所有者にこういった手紙を送りつけることもできるわけです。

 「人を見れば泥棒と思え」などという人もいますが、こういう手紙を受け取った場合は、その購入したいという会社が実在するのか、本当にその会社がこの土地を購入したいと言っているのかどうか、確かめる必要があるとは思いますね。

鵜呑みにするのでなく。あるいは手紙を出した方も勘違いで出しているかもしれないですしね。

  大手ハウスメーカーが売主になりすました地上げグループにすっかり騙されて数十億円もの大金をだまし取られた例もあります。

 最近、振込詐欺など手の込んだ犯罪が増えてきているので、気を付けなければいけないなと考え込んでしまいました。

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