中古住宅の物件調査

住宅の画像 コラム
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借家にしている住宅の売却依頼を受けた北川は新人営業マンの鈴木とともに物件の調査を始めた。

物件調査のながれ

物件調査の流れはだいたい次のようになる。
・売主様からの聞き取り調査(関係書類はコピーを取っておく)
・ネットや会社の資料から近隣の成約物件、売り物件を閲覧し、調査項目を確認しておく
・現地で大雑把に現状を把握し、その後の調査の方針を決める
・法務局での調査(ネットでも調査が可能)
・役所(これもネットである程度調査が可能、建築確認、道路関係等)
・ライフライン(電気、ガス、水道の配管状況、管径等)
・その他、関係各所での調査
地元密着で営業している業者は年々実績を積むごとに売り物件や成約物件等の資料が蓄積されていく。
査定をおこなう場合は、その蓄積された資料を参考にすれば近隣に類似物件がある場合など、これらの資料は査定の参考にできる貴重な情報源になる。

売主の中川さんからのヒアリングで物件の概要はつかんだので、現地で道路の幅員、道路に接する敷地の幅、境界、ライフライン(都市ガスかプロパンか、プロパンガスの場合は個別か、集中か、上下水、浄化槽か等)、入居者の状況、建物の破損個所がないか、増改築、修繕の跡がないかなどを見ていく。
鈴木は「現地調査チェックリスト〇〇」という会社で渡されたA4サイズの用紙をクリップボードに挟んで各項目に記入していった。
「次からは一人で調査するようにしろよ」と北川が言った。
「そんな、まだ無理ですよ、しばらくは先輩と一緒にやらせて下さい」
「そうだな、しばらくはついて行ってやるよ、しかし、俺がいけない場合もあるからな」
「慣れてくれば大丈夫だ。ひと通り見ただけで現状が把握できるようになる」

間取りの作成

「間取りをとるときは現場ではあまり時間がかけられないから、早くできるように間取りを写す練習もしておけよ」
「間取りは手書きでやるんですか」
「そうだ」と北川が続けた。
この物件に関しては、売主の中川さんが建築確認書を保管していて建物の間取り図面が手に入ったが、ない場合は各部屋を見て回って方眼紙に手書きで写して間取りを作成する。
ただし、建築確認や契約時に添付されていた間取り図は正確ではない場合があるんだ。完了検査を受けていない場合もあるし、あとで増改築している場合もある。

会社内での会話


「あとはその間取り図を事務の小西さんに渡しておけばやってくれる。小西さんが間取りソフトできれいに書き直してくれるんだ。あの子ならこれくらいの間取りだったら20分もあればやってくれるぞ」
「そうなんですね」
「いっぱい覚えないといけないことがありますね」と鈴木が言った。

売主の中川さんが借家にしている住宅は借家人が二代目で、今の住人は若い夫婦で昨年こどもが生まれたそうだ。
近くの分譲マンションを購入して、今月末にはここを退去するという。
「まずまず、ていねいに使っているようだ。外周りがきれいに片付いている。外壁はたぶん、10年ほど前に塗り替えをされているようだな。入居者が退去したら、室内を見せてもらおう」
家の周りをひと通り見てから、北川が言った。

物件調査の必携品

現地調査では、チェックシート、方眼紙、住宅地図、メジャー、スマホ(写真を撮る)、くらいは持参しないといけない。
敷地の大きさと形状も大まかに把握する。
建築基準法で道路の幅員が4mの道路に敷地が2m以上接していないと建築できないことになっているんだ。
隣地の屋根や樋などが越境していないか、また隣りの住人は自営業者か、会社員か、ペットを飼っているかなど、どのような人物が住んでいるのかまである程度注意して見ておくんだ。後で役に立つことがあり、トラブルを未然に防ぐことになる場合もある。
北川は現地での調査のポイントを鈴木に教えながら物件を目視していった。
「うわぁ、たくさんありますね。ポイントが」と鈴木が言った。
「いっぺんには無理だから、そのうち覚えろ。売り物件を何十物件も見ているうちにわかるようになるさ。次は法務局だ」

まとめ

不動産業者の現地調査は重要事項説明をするためのものである。調査は目視でおこなう。
現地調査では調査用紙、方眼紙、住宅地図、メジャー、スマホ(写真を撮る)などを持参する。
道路幅員と間口、奥行き、擁壁の高さなどをメジャー等で簡易計測する。
近隣からの越境物はないか、建物は傾いていないか、基礎や壁にクラックが入っていないか等を目視していく。

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