中古住宅の査定、法務局での調査

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始めにおこなうこと

物件の調査は現地調査を終えると、次は法務局に行き登記関係を調べる。

借家の持ち主の中川さんから査定依頼を受けた北川は、新人営業マンの鈴木の運転する車で法務局に向かった。
「物件の住所がわかってますから、まず登記簿謄本の交付を申請したらいいですね」
と鈴木が言った。
法務局には各種の申請用紙が備え付けられているので、必要事項を記入して申請する。
「いや、まずはブルーマップで地番を確認することだ」
ブルーマップとは住宅地図に地番が青字で書かれている地図で、法務局に備え付けられている場合がある。
「住居表示と地番が異なっている場合もあるんだ」
住居表示が実施されているところと、されていないところがある。
住居表示が実施されているところでは住所と地番が異なっている。
「住居表示は郵便物が届く住所で、登記簿上の地番とは違う場合があるんだ」
と北川が言った。

法務局ですること

法務局とは法務省の地方支分部局の一つで、登記所と言ったりする。
ここではいろんな事務をやっているが、俺たち不動産屋は主に「不動産登記」の調査をするんだ。
知り合いの不動産業者や、司法書士や土地家屋調査士とここでよく顔を合わすこともある。商業登記簿謄本もここでとるんだ、顔を見たらあいさつぐらいはしとけよと北川が言った。

北川と鈴木はブルーマップで物件の所在地を確認してから、公図を閲覧した。
「はじめに、公図を閲覧(または証明書)するんだ。公図と住宅地図とを比べてから次に登記事項証明書、これは登記簿謄本とも言うが、の交付を申請するんだ。次に地積測量図、建物図面という順番だな」
「次に前面道路と、隣接の物件も要約書でいいのであげておこう」
「会社を出るときに専務が謄本をあげに行くのかと言ってましたが、このことですね」と鈴木が言った。
そうだ、むかしは登記事項証明書のことを登記簿謄本と言ったんだ。
今もみんながこう呼ぶので登記簿謄本と言ってもいいんだぜ、と北川が話を続けた。
なお要約書は手数料も安い。
甲区欄に所有者の中川さんの名前がのっているかとか、抵当権がついているかとか、ほかに例えば仮登記とか、差し押さえがついていないかとかを調べるんだ、まぁ、権利関係の調査だな。
乙区欄を見ると住宅ローンはどの銀行かとか、ローンの設定額もわかるんだ。

共担

住宅ローンがある場合は、銀行が担保に取っているから、抵当権が設定されている。
土地と建物の両方、場合によっては他の物件も同じ抵当権が設定されている場合がある。
共同担保というんだが、共担の内容を確認するために共同担保目録も一緒に請求しておくんだ。
謄本の交付請求書の下のほうにチェック欄があるだろうと北川が言った。
「あ、これですね。このへんになってくると、頭の中がこんがらがってきますよ」と鈴木が言った。
「慣れてきたらわかるさ、このへんは毎回、同じことをくり返しやることになるからな。
心配するな。すぐに覚えられるぜ」と北川が言った。
公図、謄本、地積測量図、建物図面を受け取ったら、内容を確認する。
所在地、所有者、各種日付、土地と建物の面積は念のために謄本と、測量図、建物図面を見比べてみる。
例えば測量図の古いのは公簿がアテにならないのもある、実測と公簿が違うんだ。残地計算といって測量してないのもあるんだ。
このあたりは謄本の見方やほかにもいろいろあるから、事務所に帰ってから教えてやるよ、と北川が言った。

法務局の窓口には不動産用の「登記事項証明書・登記簿謄本・抄本交付請求書」「登記事項要約書交付・閲覧請求書」「地図・地積測量図等の証明書、閲覧請求書」などが備え付けられている。
これらの用紙に必要事項を記入して提出し、印紙を貼って、引き換えに受け取るのである。

まとめ

法務局では登記関係の調査をおこなう。
ブルーマップで住居表示か登記簿上の地番か調べる。
公図、謄本、地積測量図、建物図面の順に調べていく。
窓口に各種の申請書が備え付けられているので、必要事項を記入し印紙を貼って、受け取る。

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