「土地の所有者と連絡を取りたい場合にどうすればいいの?」という疑問にお答えします。
例えば、次のような場合です。
- 空き家になっている中古住宅を購入したい
- 近くの空き地を駐車場として借りたい
- 気になる土地を購入したいので持ち主と話し合いたい
このような理由で、土地の所有者に連絡を取りたい場面がありますよね。
しかし、このとき手紙を書こうとしても、所有者の連絡先がわからないことも多いはずです。
そこで今回は、法務局で所有者を調べて直接手紙を出す方法を詳しく解説します。
私が実際に手紙を送り、土地の売買仲介を成功させた実例も交えてお伝えします!
所有者を特定する方法:法務局で登記簿謄本を取得
土地の所有者を調べるには、まず法務局で「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得します。
ここには所有者の氏名や住所が記載されており、手紙を送るのに必要な情報が得られます。
登記簿謄本の取得方法
- 土地の所在地を確認する
- Googleマップや住宅地図(ブルーマップなど)を活用して、土地の正確な所在地を特定しましょう。(ブルーマップとは住宅地図に地番が青字で印刷されている地図のことで、地番を調べることができます。法務局に備え付けてある場合があります)
- 「地番」がわかると、手続きがスムーズになります。
- 法務局で申請する
- 土地がある地域を管轄する法務局を訪問し、「登記事項証明書交付申請書」を記入・提出します。
- 最近は、法務局のオンラインサービスで申請することも可能です。
- 手数料を支払う
- 窓口では1通につき600円~700円、オンライン申請では約500円の手数料がかかります。
登記簿謄本に記載されている情報
取得した土地の登記簿謄本には、以下のような情報が記載されています:
- 土地の種類、面積、所有者の氏名・住所
- 権利関係、例えば抵当権や差し押さえなど
手紙を書く際のポイント
所有者の名前と住所がわかったら、次は手紙ですね。突然の手紙は、受けとった土地の所有者さんに驚かれるかもしれませんので、誠意を込めて丁寧に書きましょう。
以下のポイントを押さえておくと、良い印象を与えやすくなると思います。
丁寧な手紙を書くポイント
- 自己紹介を簡潔に
- 名前、住所、連絡したい理由を明確に伝えます。
- 連絡理由を具体的に
- 「土地を購入したい」「土地を借りたい」など、簡潔で具体的に述べます。
- 連絡先を明記
- 電話番号やメールアドレスをはっきり書き、返信が欲しい旨を丁寧に伝えます。
- 感謝の言葉で締めくくる
- 誠実さを伝えるために、「お忙しい中恐縮ですが、ご一報いただけると幸いです」といった感謝の言葉を忘れずに。
手紙の具体例
例1:個人から土地所有者へ
○○市○○町○丁目○番地
○○ ○○ 様
初めまして。私は○○町○丁目に住む○○と申します。突然のご連絡失礼いたします。
実は、貴殿所有の土地(○○町○丁目○番地)の件でお伺いしたいことがあり、ご連絡を差し上げました。
当方では○○について確認したく、ご相談させていただければと考えております。
お忙しい中恐縮ですが、もし差し支えなければ、下記の連絡先までご一報いただけますと幸いです。
電話番号:090-xxxx-xxxx
メールアドレス:xxxx@example.com
何卒よろしくお願い申し上げます。
○○町○丁目○番地
○○ ○○(署名)
例2:不動産業者から土地所有者へ
土地所有者〇〇様
拝啓 突然のご連絡、大変失礼いたします。
私は○○町で不動産業を営んでいる(株)○○の○○と申します。
このたび、○○町○丁目○番地の土地の件で、所有者〇〇様にお問い合わせしたく、お手紙を差し上げました。
私どもの懇意にさせていただいているお客様が、〇〇様が所有されている土地に興味を持たれて、もしその土地を譲ってもらえるなら、住宅を新築したいと考えておられます。
そこで、私どもにその土地をご売却されるお気持ちがないか訊ねるように依頼されたのです。
さっそく、法務局に行きその土地の調査をしましたところ、〇〇様が所有されていることが分かりました。
誠に失礼かと存じましたが、ご売却されるお気持ちはないかおたずねしたく、お手紙を差し上げた次第です。
もし、そのようなお考えがおありでしたら、ご一報戴ければ幸甚に存じ上げます。
もとよりそのような考えはないと、御一笑に付されましたときは、私どものお客様のマイホーム新築の夢に免じて、あしからずお許し下さいませ。
失礼をかえりみず書面にてお願い申し上げます。
尚、私どもがお調べした〇〇様の個人情報に関しましては、秘密厳守し、決して口外致しません。
ご安心下さいませ。
末筆ながら〇〇様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
手紙を送った後の注意点
手紙を送った後、返信がすぐに来ない場合もあります。その際は次の対応を検討しましょう:
一定期間待つ
手紙を出してから2週間は待ちましょう。急ぎの場合でも、相手の都合を配慮することが大切です。
再度連絡する
返信がない場合は、再度手紙を送るか、場合によっては近隣住民への聞き取り調査等を行います。
専門家に相談する
弁護士や司法書士、土地家屋調査士等に相談すると、スムーズに話し合いができる場合もあります。
まとめ
土地の所有者に連絡を取りたい場合、まずは法務局で登記簿謄本を取得するのが第一歩です。
次に、誠実で丁寧な手紙を送ることで、スムーズなコミュニケーションが期待できます。
少し手間がかかりますが、その努力の結果として、きっと良い結果が得られるはずです。
この手順を参考に、ぜひ挑戦してみてください!
私もこのような営業用の手紙をよく書きましたね。
具体的には、パターンを変えて、このようなお客様向けの手紙を何度も書いたものです。
その結果、こういった手紙を出した場合は大体7~8割ぐらいの確率で、お客様とアポが取れました。そして、半数近い方と成約に結び付けることができました。
一方で、成約できなかった場合も、その数年後に連絡があり、売却依頼を受けることもありました。
したがって、手紙を出すことは長期的な成果にもつながる重要な営業方法のひとつといえるでしょう。
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