森鴎外の短編「高瀬舟」に出てくる高瀬川沿いに安藤忠雄氏設計のビルがある。
高瀬川は今も古のままに流れている。その高瀬川の水面に手が届く高さにその建物は造られている。その一角にオープンカフェがある。
高瀬川と建物が一体になったような不思議な空間。
せわしない雑踏の中にあっても、心地の良いオアシスのようなカフェだった。
店内からの眺めもよい。客はまばらであったが、川沿いのテラスで、木漏れ日を浴びながら高瀬川の水面を眺めているとゆっくりと時間が流れていく。
河原町に来たときには時間があれば、立ち寄ることにしていた。居心地のよいくつろげる場所であった。
その喫茶店が閉店したのはかれこれ10年も前になるだろうか。もう一度高瀬川の水面を眺めながら琥珀の香りを味わいたいものだ。三条通りを歩いていて、ふと懐かしく思った。
そこにはまた別の新しい店が オープンしていた。三条通りを隔てて北側にもテラスがありこちらのカフェも海外からの観光客で賑わっていた。
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