焼け野の雉(きぎす)

いじめや、子どもを虐待するという暗いニュースには気が重くなるばかりだが、今日はめずらしい生き物を見たことで、ちょっとした気分転換になった。

川面をそよぐ風が夏めいてきて、心地よい。

大川の土手を愛犬のメイと散歩していると、メイが、河川敷に生い茂った竹藪の方へ行こうとする。

近くで、枯草をかき分ける音がして、何かいるらしい。

急いでスマホを取り出した。

写真中央よりやや左上に、何かがいる。

目を凝らすと枯草の上を雉のつがいが歩いている。写真中央よりやや左上にオスが、頭部が赤く、首周りは金属光沢のある青い色をしている。

メスも中央よりやや右にオスに少し遅れてあるいているが枯草と区別がつかない。

キジのつがいはゆっくりと枯草の上を、やはりがさがさと音を立てながら、藪の中へ入っていった。

雉も鳴かずば撃たれまいとことわざにもあるが、大きな声で鳴いてみたり、枯草の上をがさがさと歩いたりとどうもこの鳥は外敵に対して無防備というか、無頓着のような気がする。

一方で、見方を変えれば大胆というか、物おじしない、綺麗で堂々としている。

昔はキジのことをキギスといったそうで、きじ(雉)は日本の国鳥で、焼け野の雉(きぎす)ということわざもある。

自分の巣のある野を焼かれると身の危険をも顧みず子どもを救おうとするそうだ。

最近、親が子どもを虐待するという痛ましい事件が後を絶たないが、 こういう連中からするとこの鳥はよっぽど人間的で、高貴な生き物のような気がする。 

f:id:yokohama-tasogare:20190314013131j:plain

コメント

タイトルとURLをコピーしました